文章◉澤田 空海理
装画◉田雜芳一
三年間
返事遅いなあ。でも待ってみるかな。
めんどくさいやと思われたくないな。
あなたが頑張ってるのは、見ればわかるよ。
それを見せないようにしてることも。
もしかして私はお荷物でしょうか。
今、ご機嫌取りをされてますか。
負担になっていましたか。少し重かったですか。
それが一番嫌なんですが。
ダメなところなんて、もう知っているから。
下手したら良いとこよりも知っているから。
かっこつけてほしいのは
そういうところじゃないんだよ。
彼氏とか彼女とか、そんなんじゃなくて
人には見せられない寝相とか
わりかし変な趣味の話とか
くっだらなくて死んでしまうような暮らしを。
朝から点数稼ぎですか。
それに乗ってしまう私も私ですが。
まぁ、そこはおたがいさまってことで。
言葉に引っ張られている関係だって
上手くいくなら良いんじゃないかな。
もしかして二人はお似合いでしょうか。
ただ能天気なだけでしょうか。
通じない皮肉も、下手なサプライズも
なんだか私たちらしいよね。
好きなドラマがあったの。古いドラマよ。
帰ったら見返したいな。君も、よかったら。
愛想くらい何度も尽かしてみよう。
何ならさ、週一で好きならばそれで良いんだ。
意外と子供っぽい舌とか
時たまハマる変なゲームとか
知っていたようで、知らなかった一面を
見せてほしいんだ。
今更、隠すものなんてないでしょう?
君に慣れたいんだ。
子供のままじゃ知らない幸せの形があることが
とても嬉しいんだよ。
ダメなところなんて、もう知っているから。
私にもあって余るよ。知っての通りさ。
直そうとしてるなら、それでいい気がするんだよ。
明日は雨みたいだね。家にいようか。
来週も、当分先も一緒にいるから。
気付かないほど、上手に埋め合わせてよ。
下手くそなサプライズ、見せてよね。
あのね、嬉しいことがあったよ。
いつもみたいに聞いてほしいんだよ。
くっだらなくて死んでしまうような話を。