寄る辺
言葉、それが芸術か否かはさておき、残すタイミングというものが存在するように思えます。その齢、季節、出会い、別れ、心境変化、それを成熟と呼ぶべきか、はたまた退行なのかはわかりませんが人生のある一定の期間にしか書けないものは間違いなく在ります。その中でとりわけ「遺書」というものは果たして今際の際に書くものなのか、それが然るべきタイミングなのかと悶々としておりました。私の人生はとっくに私の手を離れていて、創作に魅せられたといえば聞こえが良いですが、その大きさ故に輪郭を捉えることすら難しい概念に先導してもらわないと足が先へ進まないのです。遺書を残すには、既に本人の意識が希薄すぎます。ただ、その先導によって刻まれる足跡は紛れもなく人間の足の形をしています。踏んだ本人の意思が靴底の形に反映されないように、私がそれをどういう気持ちで踏もうが人の足跡です。誇れるものが多くない自身の人生に、唯一、他人に何かを与える可能性をもっている楽曲、ひいては詞たち。それをこの「遺書」という場所へ羅列することで、決して少なくはない人数に自分の生き様をいち人間として覚えておいてもらえる気がするのです。
文章◉澤田 空海理
装画◉田雜芳一
2024.09.27|LIVE/EVENT
2024/12/15 澤田 空海理 単独公演「冬瓜と春菊」開催
澤田 空海理 単独公演「冬瓜と春菊」を開催します。
日程:2024年12月15日(日)
会場:代官山UNIT
開場 17:15 / 開演 18:00
チケット前売
一般:¥4,900 U22 ¥4,400(D代別)
*U22チケットは入場時に年齢が分かる身分証明書をご提示いただきます。
身分証明書:運転免許、保険証、パスポート、住民票など
*開催日時点で満22歳で有れば有効です
*必ず年齢のわかる身分証明書をご提示ください
*未就学児童入場不可(保護者同伴の場合可)
*但しお1人様1枚のチケットが必要とさせていただきます。
1次先行:9/28(土)10:00〜10/6(日)23:59
https://eplus.jp/sorisawada/